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海外男子

最終ホールでバーディ締めの池田と小平に共通する「悪い流れを断ち切る冷静な自己分析」

2017年6月16日(金)午後7:39

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毎年、主催するUSGAは優勝スコアをイーブンパー前後に設定すると言われている最難関メジャーの「全米オープンゴルフ選手権」。今年は膝上まで伸びたフェスキュー芝が開幕を前から話題となったエリンヒルズGCでの戦いに注目が集まった初日。

リッキー・ファウラーが7バーディ、ノーボギーの「65」というビッグスコアを出して単独首位に立った。7アンダーのファウラーを筆頭にアンダーパーは44人で平均スコアは73.385(+1.385)と全米オープンらしからぬリーダーボードに。

日本からは6名の選手が出場したが谷原秀人、宮里優作、池田勇太ら3人がイーブンパーで日本勢最高の45位。メジャー制覇へ期待がかかる松山英樹は2オーバーの82位。全米オープン初出場の小平智は1オーバーの61位、今平周吾は4オーバーで114位。ゴルフネットワークの中継で午後スタート組の解説を務めたツアープロコーチの内藤雄士が大会初日を振り返る。


風が思っていた以上に吹かなかったとはいえ、決して簡単なコースではないので、ここまで良いスコアが出るとは思わなかったですね。フェアウェイはブラインドのホールが多い中でブッシュやラフは絶対に避けないといけません。狙いところが狭くて、細かいマネジメントと精度の高いショット力が要求されます。グリーンの傾斜も複雑でラインが読みづらいので、ファウラーがあれほどバーディパットを決めたのには驚きです。

それでも、フェアウェイの幅は例年の全米オープンよりは広いので、ファウラーのようにフェアウェイの幅にしっかりと打ってきた選手が好スコアを出せた要因です。さらに、現地では夜に連日雨が降っていてフェアウェイとグリーンが柔らかいこともビッグスコアに繋がっているでしょう。

2年前のチェンバーズベイとリンクス風のコースという点で似ていると言われましたが、チェンバーズベイよりもフェアウェイもグリーンも芝つきが良くてコースの状態は素晴らしいので、非常にフェアなセッティング。日本勢にとってもプレーしやすいコースコンディションだと思います。

全米オープンなど海外メジャーでは午前と午後でコースコンディションが変わり、運と不運が出ることも多いですが初日はそれほど大きな変化はなかったです。午前は風が無くて、午後からは風が強くなるかと予想されましたが、風が止むこともあったので午後スタート組の中でもリーダーボードの上位にくる選手が出てきました。

解説をした午後スタート組の中で注目したのは池田勇太選手と小平智選手の日本勢2人です。2人共に前半は苦しみながらも後半に入って素晴らしいプレーを見せてくれました。


1番スタートの池田選手は6番から4連続ボギーを叩くなど前半は「41」でしたが、後半に入ると見違えるようなゴルフで、出だしの10番パー4でバーディを奪うと後半は5バーディ、ノーボギー「31」でプレー。ナイスカムバックでした。

小平選手は難しい10番スタートでボギー発進。12番、13番でも連続ボギーと苦しい流れでしたが14番パー5でバーディを奪うと徐々に自分のリズムでゴルフが出来るようになり後半は2バーディ、ノーボギーのプレーで1オーバーまでスコアを戻しました。


2人に共通しているのは練習ラウンドから調子が良かったことです。ただ、調子が良いだけに自分に期待をし過ぎて「頑張りたい!」という気持ちが気負いにつながって、リズムを崩すことはゴルフではよくあることです。池田選手も小平選手も前半は自分のペースでゴルフをさせてもらえませんでしたが、1つのきっかけで流れが変わりました。池田選手は10番、小平選手にとっては14番のバーディでスイッチが入りましたね。

ホールアウト後に池田選手は「前半を終えて自分の中で何か変えないといけないと思ってキャディと話した。細かいことを考え過ぎてしまう性格だから開き直って、良い意味で大雑把にプレーするようにした」と話していましたが、前半は結果がでないことが焦りにつながっていたと思います。悪い流れの中で冷静に自己分析できたことが好結果に繋がったと思います。


小平選手も「午前中は自分にプレッシャーをかけ過ぎたし、緊張もあった。ショットは悪くなかったけどアンラッキーもあってうまくいかなかった。後半はショットのリズムも良くなってバーディが取れた」と振り返っていたように辛抱強く我慢してプレーを続けたことで後半に良い流れが来た。これまでならショットの調子が良いのにボギー先行のゴルフになった時点で、気持ちが切れて崩れてしまうこともありましたが、メジャーの大舞台で後半のようなプレーができたのを見ると一皮向けたなと思います。


2人とも最終ホールはバーディフィニッシュでしたし、2日目は午前スタートなので初日の後半の良い流れからそのまま入っていくことができます。後半と同じような自分のゴルフが出来れば上位進出の可能性も十分あるし、期待したいです。


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全米オープンゴルフ選手権

2日目  6/16(金) 午後11:00~翌午前10:00(LIVE)
3日目  6/17(土) 午後11:00~翌午前9:00(LIVE)
最終日  6/18(日) 午後11:00~翌午前9:30(LIVE)
【解説】佐藤信人プロ、ツアープロコーチ内藤雄士
【現地ラウンド解説】プロキャディ杉澤伸章
※2日目~3日目は最大延長午前11:00まで、最終日は午前11:30まで

【放送予定】2017全米オープンゴルフ選手権
【LIVE&見逃し配信】2017全米オープンゴルフ選手権

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