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「ロイヤルポートラッシュというコースがローリーの力を引き出した」ゴルフアナリスト小松直行氏が観た全英オープン

2019年7月22日(月)午前6:00

2019 全英オープンゴルフ選手権
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 アイルランドのシェーン・ローリーのメジャー初優勝で幕を閉じた全英オープンゴルフ選手権。CS放送ゴルフネットワークで同大会生中継のゲスト解説で出演した在米ゴルフアナリストの小松直行氏に、最終日を終えてコメントをいただきました。
 
「勝つのはお前だろう」ポートラッシュの神様が肩を叩いたのがシェーンだった
 今年の全英オープンは、シェーン・ローリーが物語を完成させました。ただ、18番で彼を待ち受けていた人たちみんなが主役でしたね。ハリントン(パドレグ・)やGマック(グラム・マクドウェル)、ダレン・クラークは見かけなかったですけど、いない人たちも含めて、北アイルランドで全英オープンを開催しただけでもよかったところに、勝ったのがアイルランドのローリーだったというのは、これもう惑星直列的な出来事でしょう。

 そもそも全英オープンを68年ぶりに北アイルランドのポートラッシュに持ってきたことだけで「勝利」。そのうえでこれが起きたというのは、シナリオないドラマが起きるスポーツならでは。目の当たりに出来た我々は、本当に幸運でした。

 僕は実況という商売柄、何打リードしていても、最後に崩れた人たち何度も見てきているわけです。怖さというか、ゴルフというのは勝てそうに見えてそう簡単じゃないということをずっと見てきているので、ローリーの勝利を疑うというか、なにか起きるんじゃないかと思っちゃうんです。

 ですが、今日はそういうことは起きなかった。何か大きなラッキーが重なったわけではない、アイルランドのリンクスでゴルフをやってきたローリーの持っているものが自然にでた、自分の中にがあるものがただ出ただけだという風に見えました。

 そういう意味で今週は、「競技力の優れた人が勝つ」という僕らがいつも日常的に見ているゴルフとは違う、この場所にふさわしい人が勝ったという印象がありますね。その地の神様、ポートラッシュの神様が「お前だろう」と肩を叩いたのがシェーンだったという。

 競技力の優れた人は他にもいたわけで、例えば世界ランク1位のケプカ(ブルックス・)は、ポートラッシュ出身のリッキー・エリオットというキャディの助っ人もいて、行けるんじゃないかと思っていましたけど、違いました。ポートラッシュは、技術だけじゃ勝てないというコースだったということなんじゃないかと。

 冗談に近い話ですけど、アイルランドには日本と同じような土着信仰があって。もちろんローリーも力があったから勝ったわけですが、あの場所で、ポートラッシュで力を発揮するのは、アメリカ出身のケプカでもなく、リバプール出身のフリートウッドでもなくて、同じアイルランド島出身のローリーだった。

 セントアンドリュースオールドコースといえば「ゴルフの歴史そのもの」、カーヌスティGLといえば「バリーバーン」、ロイヤルリザム&セントアンズといえば「バンカー」。じゃあ、ロイヤルポートラッシュは何だろうと考えると、ホームアドバンテージを作り出すものが、そこにあったという気がしますね。ゴルフのナチュラルな部分が引き出されたコースの魅力、そんなロイヤルポートラッシュというコースに感動した、今年の全英オープンでした。

■小松 直行(こまつ・なおゆき)
1960年神奈川県横浜市生まれ。筑波大学体育専門学群卒、東京大学大学院教育学研究科博士課程中退(修士)。教職、マスコミを経て、スポーツ科学全般を学んだ背景からゴルフに入れ込み90年代からトーナメント中継に関わる。2002年に渡米して現職。ヨーロピアンツアーを中心に年間40試合近くを生中継。フロリダ州オーランド在住、HC12、ベストスコア75(これもゴルフの不思議!)

(写真:Getty Images)

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