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“158cmの衝撃”からまさかのQT失敗、アジア転戦、そしてシード獲得まで─ 比嘉一貴に佐藤信人が聞く

2019年9月2日(月)午後0:30

ぎゅっと週刊国内ツアー
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 ライザップKBCオーガスタで26アンダーという大会レコードでのレギュラーツアー初優勝をあげた比嘉一貴選手。イーグルフィニッシュからの涙は感動的で、男子ツアーを盛り上げる新たな実力者の誕生を予感させてくれました。

 そんな比嘉選手に、日本ゴルフツアー機構(JGTO)理事の佐藤信人プロが、CS放送ゴルフネットワーク「ぎゅっと週刊国内ツアー」のなかで注目新人選手として対談をしていました。ここまで決して順風満帆ではなかった比嘉選手のキャリアについて話を聞いています。
 
「体が小さく悩んでいる人を勇気づけられる選手になれれば」
佐藤 僕の間違いなくイチオシの比嘉選手なんですけど、以前日本オープンの予選会(2013年)で一緒になった時がありましたよね。僕は、背が小さいけどめちゃくちゃいい球を打つという衝撃を覚えた人に、田中秀道とか、伊沢(利光)さんとか、(ルイ・)ウーストヘイゼンとかいるんですけど、それと同じ衝撃を受けて。その後からずっと注目してるんですけど。

比嘉 ありがとうございます(笑)。

佐藤 沖縄県出身の比嘉選手ですが、そもそもゴルフを始めたきっかけというのは?

比嘉 小学校2年生の時、お父さんが基地の中のゴルフ場に連れて行ってくれたのが最初です。最初僕はカートに乗って見てるだけだったんですが、やりたくなって2番ホール目からやらせてもらいました。

佐藤 師匠は(宮里)聖志くんや優作くんのお父さん(宮里優氏)だよね。

比嘉 はい。でもそれは高校からなので、それまではお父さんと2人でやってました。

佐藤 僕と一緒に回ったのは、比嘉くんが高校3年生のときだったよね。あのあとすぐにプロに入って、すぐ通用すると思っていたんだけど、QTは受けていましたよね?

比嘉 1stQTを終えて、2ndQTの前に、体育の授業で指を骨折してしまって。3ヶ月くらいはダメで、日本オープンや国体、QTも受けられなくなってしまって。

佐藤 それでやむを得ず諦めて東北福祉大にいったと。

比嘉 はい。プロ転向する準備はできていたんですけど、怪我で諦めて。その時に、監督に声をかけていただき進学しました。

佐藤 福祉大でもちょっと悔しい日々が多かったけど、プロ転向してからもQT失格があったよね。

比嘉 大学時代は悔しい思い出が多くて。全タイトル2位だったとか。QTも、高校の時に(怪我で)失敗していたので、ちゃんとしなきゃいけないという感じだったんですけど、やったこともないようなミスというか。過少申告だったんですけど、3回もチェックして提出したんですけど見落としてて。スコアが「2アンダー」って言われたんですね。実際は1アンダーだったんですが、その日のスコアは出入りが激しくて。チェックしてもらったら、ボギーだったところがパーになってて。

佐藤 今だから笑えるけど、ショックだったでしょう。

比嘉 いままでそういうミスはしたことなかったので。3回もチェックして見落としてるんで、QTにはなにか“縁”があるなと思いました(笑)。

佐藤 プロ転向しても試合に出られない状態になって年が明けて、アジアンツアーのQTも受けたんですよね。

比嘉 そこも1打でメインツアーに入れなかったんです。でも下部ツアー(ADTツアー)はだいたい出れるようになって。

佐藤 それで、下部ツアーに出ていきなり優勝(2018年BTI Open)するわけですね。

比嘉 そうですね。ADTツアーの試合は年明けからあったんですが、大学を卒業をしてからプロ活動しようと決めていて、それで出たのが4月のバングラディシュ(BTI Open)でした。

佐藤 それはプロ2戦目になるのかな?(AbemaTVツアーの)Novil Cupにも出てたよね。

比嘉 はい、それもマンデーの予選会から出てですね。

佐藤 すごいよね。強い人というのは、どこかから這い上がってくるというか。

比嘉 結構、割り切って前向きに考えていたというか。今年は修行の年なんだろうなと。こういう辛いことは、今のうちにしないといけないでしょうし、一度経験したら戻らないように頑張ろうと思うだろうと、そういう気持ちもあって。

佐藤 それでアジアン下部ツアーを回りながら、日本のAbemaTVツアーでも秋田(南秋田CCみちのくチャレンジ )で勝って。

比嘉 あれも予選会からでしたね。それを突破して本戦出て。

佐藤 それでAbemaTVツアーの出場権を得て来年はほぼ大丈夫というのを確定させて、秋からは怒涛の勢いでツアー上位に入って、数試合でレギュラーシードも決まっちゃったって感じだよね。

比嘉 運も良かったのかなと思いますけど。卒業後、ブリヂストンとプロ契約させて貰ったんですけど、そのブリヂストンオープンには推薦で出れるんじゃないかと狙っていたこともあって。大学3年生のときに出させていただいてコースは知っていたので、そこに向けて準備していました。そこから、ブリヂストンオープン、 マイナビABCチャンピオンシップ、HEIWA・PGM CHAMPIONSHIPで連続TOP10に入ったんですけど、レギュラーシード獲得には怪しいラインだったんです。

佐藤 アジアにいくか日本で続けるか悩んでる時あったよね。

比嘉 はい。アジアも大事にしたいというか、行きたい場所でもあるし。日本ツアーも夢のあるツアーだし。どっちをとるか悩んだんですよ。でも、自分はアジアから始まったところもあるし、あと1試合でないと(シード獲得のために)試合数が足りなくなるので行かざるを得ないこともあったので、アジアを選択しました。

佐藤 でも、最後は日本のシード権も無事に獲れたと。怒涛の2018年だね。

比嘉 あんまり記憶に無いんですよ。目まぐるしくて。14連戦とかもあったので。

佐藤 将来、こうなりたいという目標はありますか。

比嘉 日本の賞金王とか、複数年シードがついてくるような。永久シードとかも狙いたいですね。

佐藤 日本で成し遂げたいというのがあるんだね。

比嘉 そうですね。あと複数年シードを持って海外でやりたいというのもありますね。厳しいかもしれませんが。

佐藤 狭山の日本オープン(2016年)で松山(英樹)くんが勝った時、比嘉くんがローアマを獲って、表彰式の時に並んで話をしていたじゃないですか。何を話していたかはわからないけど、僕からは「将来、お前もPGAツアーに来いよ」と言ってるみたいに見えたんですよ。PGAツアーというのは、300ヤード飛ばす人ばかりだし、体もみんな大きいし。でも、体の小さい人でも、(イアン・)ウーズナムみたいなプレーヤーもいっぱいいるんですね、その中でも、比嘉くんは身長でいったら一番小さいと思うんですよ。

比嘉 ずば抜けてちっちゃいかもしれないですね(笑)。

佐藤 だから、強烈なインパクトを与えるし、日本のゴルファーは小柄な人が多いから勇気を与えると思うんです。

比嘉 いろんな競技でそうかも知れないですけど、体が小さい人は悩むこともあると思うんです。そういう人たちに勇気づけられる選手になれればと。僕だからこそ出来るんじゃないかなと。

佐藤 将来、賞金王も狙えると思うんで、これからも頑張ってください。ちなみに、比嘉くんは趣味とかはあるの?

比嘉 ゴルフが好きで練習も苦じゃないので、ゴルフばっかりですね。YouTubeの「あなたへのおすすめ」もゴルフばっかりです(笑)。

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