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「最初にあったときの印象は、下手くそ。でもなにか持っているんだろうな」渋野日向子選手コーチ・青木翔さん単独インタビュー<2>

2019年12月29日(日)午前11:00

渋野日向子の魅力!~その強さと笑顔の秘密~
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 2019年、海外メジャー1勝・国内4勝の大躍進を遂げた渋野日向子選手のコーチを務める青木翔さんに、CS放送ゴルフネットワークで放送の番組「渋野日向子の魅力!~その強さと笑顔の秘密~(12月30日よる8時初回放送)」のなかで単独インタビューを敢行、その内容を全3回に渡って連載します。今回は渋野選手へのコーチング内容についてお話をうかがいました。
 
「とりあえずこれでどうにかしてきてごらん」っていったら、本当にどうにかしてきた
 

 最初にあったときの印象は、、、下手くそ(笑)。よくクラブを振れる子だなとは思いましたけど、僕が一番不思議だったのは、コーチ、指導者としていろんな選手を見てきて、打ってる感じでだいたいこの子はこれくらいで回るのかなとかわかるんですけど、打ってる球をみて「この子はどうやってここまで来たんだろう」と思ったんです。球は上がらない、チーピン(出球が大きく左に曲がる現象)は出る。でも、落ちたときのプロテスト、2次予選はトップで通過しているんですよ。もう意味がわからない。でも、この子は何かを持っているんだろうなとは感じました。

 最初に教えたのは、基本中の基本なんですけど、ボールに対してのヘッドの入り方からですね。初めて一緒にゴルフしたときに、「ターフをとってごらん」っていったら、ボールの後ろからヘッドが入ってましたから。僕は爆笑しましたけど(笑)。「違う違う、前だから!」って。

 それがスタートで、ヘッドの入り方のフィーリングをつけるところから始めて、もうQTの直前だったんですけど、「とりあえずこれでどうにかしてきてごらん」っていったら、本当にどうにかしてきたんですよ。それは凄いなと思いましたね。

 ツアーで戦う上で、アイアンの球の高さの必要性を伝えてきましたし、彼女のゴルフの良さを考えたときに、攻めるアイアンショットは絶対に必要になるので、ひたすらそれに取り組んでいましたね。

 球が浮くようになってきて、飛距離も出るようになって。パッティングはちょっとステップアップツアーのころは良くなかったんですけど、話をしながら、問題が技術的なところなのか気持ち的なところなのか、話をしているなかで僕は気持ちがパッティングの足を引っ張っているなと思って、練習方法を伝えてやりました。

 パッティングの練習は、3m、5m、7mの距離で、フックかスライスかはその試合で精度が悪い方を選ぶんですけど、カップに入るスピードを意識してほしいという狙いなんです。どういうスピードで、どういう曲がり幅で入るのかをイメージしてほしいという練習です。普通なら心折れちゃいそうな練習ですけど、「やれ」っていわれてるからやってるんじゃないですかね(笑)。でも、1回やれって言われたら絶対やる子なんで。彼女の凄さはそういう素直さと、初志貫徹する強さを感じますね、

 (吸収が早いという問いに)でも、言ったことを次の日忘れるんですよね(笑)。リコー(LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ・11月)のとき、「ショットが悪い」みたいなこといってたんですが、いい球を打ったときに「そうそう、それくらい右足を粘って打ってさぁ」っていったら「それだ!忘れてた!」って(笑)。そういう子なんですよ。

 全英(AIG全英女子オープン・8月)のときは、本当に旅行気分だったんで。もちろん経験、勉強するつもりでしたが、彼女も海外は初めてだし、チームもみんなで楽しんで、叩きのめされて帰ろうという感じだったんですけど、蓋をあけたらあれよあれよと上に行っちゃって。でも優勝とかは考えてなかったですね。予選通過という当たり前の最低ノルマを掲げて、15位以内の来年出場権を目標に頑張っていたんですけどね。

 僕が「いけるかも」と思ったのは・・・15番でバーディ獲ったときですかね。(バーディチャンスが)あまり寄らなかったんですが、ど真ん中からポーンと入って。彼女には言わなかったですけど、「あれ、もしかして」と思いました。その時も彼女はふざけてましたけど(笑)。18番にいたっては「はよ帰りたい」っていうから「じゃあ早く帰ろうぜ」って(笑)。

 まあ、みなさんからは「楽しんで」って言われますけど、ただ、ふざけてるだけですから(笑)。勝ってなかったら相当批判を言われてたでしょうね。でも基本的にあんな感じなんです。プロテストの会場もあんな感じでしたし、どこにいっても。普段どおり、いつもどおりの空気感でやれたのが良かったのかなと思います。

 サロンパスを勝ったあとに調子が悪くなったとよく言われるんですけど、僕からするとなんてことないんですよ。予選落ちしてないし、当初の目標はシードを獲ることでしたから。予選落ちをせずに1円でも稼ぐというのは、プロとしてあるべき姿ですから。調子のいい悪いはありますけど、試合は絶対あるし、稼がなくちゃいけない状況は変わらないので。

 「調子がわるい」といってきたら僕に怒られます。「いい悪いは関係ない。そのなかでゲームを組み立てて1円でも多く稼ぐ、順位を上げる努力をしなさい」というだけですから。特別なにかしたということはないです。いつも通り常にやることを繰り返していただけですね。

(写真:Getty Images)

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