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ドライバー「二刀流」で全米プロを制したフィル・ミケルソン

2021年6月16日(水)午後1:08

2021 全米プロゴルフ選手権
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 2021年の全米プロゴルフ選手権で50歳のメジャー最年長優勝を果たしたフィル・ミケルソン。その優勝に貢献したのは、卓越した技術と衰えを感じさせないフィジカルとともに、工夫を凝らしたギアセッティングにあるといいます。ゴルフギアライター・コヤマカズヒロ氏のコラムです。
 
「飛ぶドライバー」と「置きに行くドライバー」自由な発想のギアセッティング

 2021年の全米プロは、50歳のスーパースター、フィル・ミケルソンが優勝しました。メジャー大会史上最長と言われる7876yの難コースを見事に攻略し、自信のメジャー勝利数を「6」に伸ばしました。

 ミケルソン優勝に大きく貢献したのが、飛距離を重視したスペックの「飛ぶドライバー」と、方向性と安定性を重視した「置きにいけるドライバー」の2本をバックに入れた戦略です。この二刀流によってミケルソンは、飛距離と正確性のアドバンテージをとり、試合を優位に進めることが出来ました。

 「飛ぶドライバー」は、シャフトを長くしてロフト角を立てた、まるでドラコン選手が使用するようなスペックです。ミケルソン自身は「47.5インチ」とコメントしていますが、47.9インチと報道するメディアもあり、ルール上限である48インチに迫る長さにしていることが伺えます。

 さらにロフト角は6.0度(※キャロウェイ公表値。ロフト角5.5度に変更の説あり)。シャフトが長くなるとボールが高く上がりやすいとはいえ、アマチュアゴルファーではとてもボールの上がりそうもないスペックです。長尺仕様にするため、ヘッド重量も190gを切るようなスペシャルヘッドになっているといいます。

 モデルはキャロウェイの最新モデルである『EPIC SPEED』ですが、市販品にはないソール部フェース寄りにウェイトが搭載されたツアープロ用のプロトタイプヘッドです。長いシャフトでヘッドスピードを伸ばし、少ないロフト角でスピン量を減らす、このカッ飛びスペックでミケルソンは、若手の飛ばし屋に負けない飛距離を叩き出していました。

 一方、「置きにいけるドライバー」は、ロフト角11.5度のテーラーメイド『オリジナルワン』。2019年に発売されたヘッド体積が275ccというミニドライバーですが、チタンをベースに、カーボンやステンレスなどの複合素材を用いた高機能ドライバーです。普通の大型ドライバーと比較すると、飛距離は落ちますが、超低重心設計で吹け上がりにくく、それでいてボールが曲がりにくいという安定感のあるクラブです。

 ミケルソンは、このセッティングをマスターズあたりから採用したといいます。メジャーであるにも関わらず、一見トリッキーにも見えるクラブセッティングを採用するあたり、彼の非常に柔軟な発想力が伺えます。

 ドライバー二刀流で思い出されるのは、2006年にドロー用とフェード用の2本のドライバーを入れて、マスターズに勝利したことです。2013年のマスターズでは「フランケンウッド」と呼ばれる、ヘッド体積が250ccもある飛距離の出るスペシャルフェアウェイウッドを使いました。同じ年には、ドライバーを抜いてウェッジを増やし、自身でも「キャリア最高のプレー」と評した全英オープンでの優勝もありました。

 とにかく発想が自由で、様々な戦略を思いつくのがミケルソンなのです。これは彼のイマジネーション豊かなウェッジワークにも通じるところがあるのではないでしょうか。

 全米プロではサングラスを着用していましたが、本当に絵になるプレーヤーで、最終ホールでギャラリーが大挙して押し寄せたのも、彼のスター性を物語るものだと思います。コンディションも良さそうですし、今年はまだまだ活躍しそうですね。

文・コヤマカズヒロ(ゴルフギアライター)

(写真:Getty Images)

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