PNCチャンピオンシップ（フロリダ州／リッツカールトンゴルフクラブ）でマット・クーチャーと息子キャメロンのペアが通算33アンダー（57、54）で大会記録を更新し、2位以下に7打差をつけて圧勝した。

　今大会はメジャーかザ・プレーヤーズチャンピオンシップで優勝した選手が、ツアーカードを持っていない家族とペアを組んで、2日間（36ホール）をスクランブル方式でプレーするという年末恒例のイベント。

　優勝会見でマットは「長年目標にしてきた大会で、息子と一緒にこの瞬間を迎えられたことは特別」と喜びを語った。今年2月に亡くなった父ピーターと出場した過去の思い出にも触れ、「今は天国から見守ってくれていると思う」と感極まる場面もあった。

　主役となったのはキャメロンだ。大会を通じて正確なショットと驚異的なパッティングを披露し、最終日には複数のイーグルを含む完璧に近い内容を展開。「ただ楽しんでいただけ」と語りながらも、スコアボードで記録更新を意識した瞬間があったことを明かした。

　マットは「今日はほとんどパットを打っていない。それほど息子がすごかった」と称賛。最近、新調したパターが好調の要因だったことも明かした。

　この勝利は、マットにとって数々のツアー優勝とは異なる特別な意味を持つ。「優勝以上に家族と共有できる時間と記憶が何より大切」と語り、優勝ベルトは自宅のリビングに家族の思い出とともに飾られる予定だ。

　親子の絆と努力が生んだ歴史的優勝。クーチャー親子の物語は、PNCチャンピオンシップの歴史に深く刻まれることとなった。

（写真：Getty Images）