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アーニー・エルスの世界選抜にラグビーW杯の「ONE TEAM」をみた─ プロゴルファー・佐藤信人がみたプレジデンツカップ

2019年12月15日(日)午後6:06

2019 ザ・プレジデンツカップ
 2年に1度開催される米国選抜と世界選抜の対抗戦「ザ・プレジデンツカップ(12月12日〜15日/ロイヤルメルボルンGC/オーストラリア)」は、最終日のシングルス戦で米国選抜が逆転し16ポイント対14ポイントで優勝、世界選抜は1998年大会以来の勝利とはなりませんでした。同大会を中継したCS放送ゴルフネットワークで解説を務めたツアー9勝の佐藤信人プロに、4日間を通じてのお話を伺いました。
 
光っていたエルスのキャプテンシー

 今回のプレジデンツカップは、ロイヤルメルボルンGCというコースも良かったですし、長年のライバルだったタイガー・ウッズとアーニー・エルス(南アフリカ)がキャプテンで、しかもタイガーはプレイングキャプテンでしたし、凄い劣勢から追いついたゲームもあったりと見どころも多く、4日間すごく面白かったですね。

 松山英樹選手のいる世界選抜は残念ながら敗れてしまいましたが、世界選抜のチームを見ていて、今年のラグビーW杯を思い出しました。ラグビーは詳しくないのですが、ひとつのボールを15人で誰一人サボること無く、押しては跳ね返されを繰り返しながら前へ前へ進んでトライを決めるという姿と、エルスキャプテンをはじめ副キャプテンたち、選手、キャディたちが誰一人手を抜かずに0.5ポイント、1ポイントを獲りにいっているように感じました。ラグビーでは「one for all all for one」とか、2019年の流行語大賞にもなった「ONE TEAM」という言葉もありますが、まさにそういった精神が現れていたチームでした。

 特に、エルスのキャプテンシーは素晴らしかったです。中継内ではあまり紹介出来なかったエピソードなんですが、今回世界選抜はロゴマークを変えていて、エルスがすごくこだわって作ったそうです。そこに込められた意味合いは公表されていないそうですが、例えばキャディポンチョの背面の真ん中あたりに国旗が貼れるようになっていました。米国選抜はアメリカ国旗を貼れば国を背負う気持ちが高揚しますが、世界選抜の選手たちも自分の国・地域の旗を貼れるようにとデザインしているんですよね。そういうところからも、エルスのプレジデンツカップに掛ける思いをすごく感じました。表彰式のスピーチも素晴らしかったですね。

 エルスは昔からジュニアファンデーションや自閉症ケア施設のための基金やプロアマをやっていて、そういうところで若手選手とも多く接しています。今回、世界選抜には7人もの初出場選手がいたわけですが、エルスはいろんなホールに現れて、直にアドバイスは送るしグリーンではラインも一緒によむし、まるでお父さんみたいな役割を果たしていました。 

 そういう意味では、タイガーは対象的なスタイルでしたね。存在感が凄くて、「自分はプレーもあるし」と細かいことは副キャプテンの(スティーブ・)ストリッカーたちに任せて、初日は1組目で自分が切り込み隊長になって勝って、2日目フォアサムにも勝って、3日目は休んでキャプテンに徹して、最終日はまた選手として勝って、最後にはキャプテンとして逆転優勝して。結果も伴いましたので、完璧でした。

 次回は2021年、会場となるアメリカのクエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)は、毎年5月にPGAツアー「ウェルズファーゴチャンピオンシップ」をやっているコースで馴染みがありますし、2017年全米プロゴルフ選手権の松山選手とジャスティン・トーマス選手の優勝争いの思い出もあります。キャプテンはまだ決まっていませんが、またこの2人のキャプテンで、何回もみたいですよね。ゴルフファンは、みんな同じ思いだと思います。

(写真:Getty Images)

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12月12日(木)~12月15日(日)

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