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松山英樹「気がついたら5時間経っていた」パッティング、ショット、飽くなき試行錯誤が突然実を結んだマスターズ優勝

2022年1月7日(金)午前9:20

2022年新春特別番組「松山英樹の戦い~SCRAP & BUILD~」
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 男子ゴルフの松山英樹選手が、CSゴルフネットワークの新春特別番組「松山英樹の戦い~SCRAP & BUILD~(放送中・見逃し配信中)」で単独インタビューに答え、2021年の年明けからアジア人初の快挙となるマスターズトーナメント優勝までを振り返りました(インタビュアー:内藤雄士PGAティーチングプロ)。
 
「数字と感覚が合ってきた」マスターズ直前までの試行錯誤と、東日本大震災から節目の10年でのマスターズ優勝


─まずはマスターズ優勝おめでとうございました。そして先日のZOZOチャンピオンシップも現地で見させてもらいましたが、鳥肌が立ちました

 ありがとうございます(笑)。

─2021年を振り返っていかがでしたか

 マスターズとZOZOチャンピオンシップが凄くよかったところで、他の試合が安定しなかったなという。もう少し安定して成績を残したいという思いが残るシーズンでした。

─反省点も残るというところですかね。2021年の年明けからは少し成績が苦しかったようにみえました

 本当にパッティングが酷くて。ショットも、初日が良くても2日目が全然ダメと波があるような、パッティングはずっとダメみたいな感じが続いていましたが、2月に丸山(茂樹)さんと会ったときに、パッティングのことで「ああ、そうだな」というのがあって。そういうことがきっかけで、(試合会場が)東海岸に移ってからは、全てがちょっとずついい方向に動きだしたなという感じです。

─丸山プロにもらったアドバイスとは

 最初にお会いしたのが2013年のセガサミーのときで、アプローチを教えてほしかったのが最初です。その後もスイングのこととか、「こうなってるよ」とか、たまにしか会わないですけど、ピンポイントで言っていただけるので、すごく助かっています。

─2月にあったときのアドバイスは

本当に、リズムのことだけですね。「別に下手じゃないんだから、そこだけじゃない?」みたいな感じでした。

─やはりパットはその時期かなり悩まれていたのですか

 そうですね。年明けてからソニーオープンの2日目、予選落ちギリギリのときにバーっと入ったので、「あれ、これでいいのかな?」と思ったのですが、なかなか長続きしないというか。1日でもハーフは入るけどハーフは全く入らないということが続いていたので。コーチ(目澤秀憲氏)とも相談していて、試合でなかなか思い通り打てないことに悩んでいたのですが、丸山さんと会ってからはだいぶスッキリして、しっかり打てるようになりました。

─リズムに気をつけて、という

 そうですね。リズムに気をつけて、打ち方も。予選落ちした次の日に家に帰ったとき、普通に5時間くらいパターマットで打っていたことがあって(笑)。気づかずに時計をみたら「ああ、5時間経ってた」みたいな。その時にコーチとふたりで話しながら、この打ち方でやってみようかとなったときに、リズムと全てがいい方向にいったなと。

─噛み合ってきたと。それがマスターズ優勝につながった?

 はい、そうですね。

─どの大会でも予選通過を重要視している松山選手ですが、2021年マスターズ前は2回の予選落ちがありました

 まあ、2回落ちていてもトップ10が何回かあると気持ちが楽に臨めるのですが、それも全くなかったので、ちょっとモヤモヤしながらマスターズには向かいましたね。

─著書(「彼方への挑戦/松山英樹」)にもありましたが、「いけるかも」という感覚が出たという話がありました。それはいつ頃感じてきたのですか?

 テキサスのマッチプレー(WGC-デルテクノロジーズマッチプレー)で負けて、早めに移動して練習していたときに、コーチがたまたま女子選手を見に行くということでコーチと離れている期間があって。そのときに、自分がいままでやってきたことと、コーチが付いてからやってきたことをひとりで考えながらやっていたら、すごくいい感じになるなと思って試合(マスターズ前週のバレロテキサスオープン)に出たのですが、なかなか最後の「これだ」というのが無くて。それで、マスターズに移動して色々やっていたら、いきなりフィーリングがポンってハマって。

─すごくたくさん練習したというときですね

 ああ、そうですね。トラックマン(弾道計測器)の数字と自分の感覚、フィーリングと合ってきているから、「もう大丈夫かな、いけるかもしれないな」と。

─具体的に教えてもらえることはありますか

 ドローを打ちたかったのですが、コーチと会ったころはクラブパスがマイナス3〜4度で無理やり打っていたんですね。当然大きなミスにもつながると思うんですけど、コーチから「物理的にこうしないと打てないよ」という話になって。クラブパスをゼロからプラスにするというところから始まって。

 まあコーチのいうこともわかるけど、自分がこうやって来たというもどかしさもあって。それがマスターズのときに、自分の感覚が良くなって、数値も良くなって、(クラブパスも)ずっとプラスで、フィーリングもあるから、もう大丈夫かなと。

(※注「クラブパス」:インパクト時のクラブヘッドの動き。目標に対して左右の角度で計測され、プラスの場合はクラブフェースが右向き、マイナスの場合は左向きとなる)

─感覚と数字と全部あってきたのがマスターズ直前だったわけですね。マスターズは初日から飛び出して、最終日はすごいプレッシャーだったと思いますが

 もう朝起きたときから緊張しっぱなしで、いつになったら取れるのかなと。だいたいゴルフ場に着くと落ち着いたりするんですけど、それも全然なくて。練習場で打つペースも速いし、それをわざとゆっくりしたら逆にぎこちないみないな(笑)。「もういいや、速くなったら速くなったで」と思ってスタート前まではやってましたね。

 スタート直前のパッティンググリーンではすごく落ち着いてきたんですけど、ティーイングエリアに向かった瞬間にまた「うわ、やばい」と。グリーンではまだ緊張し始めだったので、(早藤将太キャディにむかって)「緊張してる、やばいよ!」とか言ってました(笑)。

─3日目の晩はどうだったのですか

 3日目終わって、(宿舎の)家に帰った瞬間に凄く緊張してきて。「うわあ、トップにいるよ」みたいな感じになって(笑)。でも普通に過ごして、ご飯も食べて。で、寝る前に次の日のことを考えて・・・、18ホールある程度考えて寝るんですが、6番ホールくらいで寝ちゃって。次の日起きたときに、もう一度1番ホールから考えて、まだ時間あるから寝ようと思ったんですが、全く寝られなかったですね。

─2021年は東日本大審査から10年という節目の年でした

 そうですね。10年前に震災があったとき、マスターズに出られるか出られないかわからないところで、「出る」という決断が出来たのは、被災された方々からのメッセージがあったから出られたようなもので。そこで得た経験が、その後の僕のゴルフ人生にすごく影響しているので、もしあの時いっていなかったら、いまどうなっていたのだろうとすごく考えますね。

─みなさんが背中を押してくれていけたからこそ、10年後のマスターズ優勝につながった訳ですね。マスターズ後、いわゆる燃え尽き症候群みたいなものはなかったですか?

 優勝してすぐ日本に帰ってきて・・・終わった瞬間はゴルフをしたくなくて、「しばらくいいや」という感じで2週間くらいやってなくて。で、アメリカに戻って練習し始めたのですが、アプローチが酷すぎて(笑)。もうチャックリとトップしか出なくてどうしようと。このまま試合いくのはまずいかなとも思いましたが、メジャーの前(5月の全米プロゴルフ選手権)には1回試合に出ておきたいと、AT&Tバイロン・ネルソンに出ましたけど。

─そうだったんですね

 ショットも、毎日練習していた人が2週間も3週間もやらなくなるとこんなに酷くなるんだと思いながら。でもその時に・・・やはりうまくいかない自分に腹がたってくるというか。その週、勝ったのがキョンフン(イ・キョンフン)だったんですけど、余計に「やっぱり負けたくないな」というのが出てきたので、安心しましたね。

 悪い成績でも「(マスターズに)勝ったからいいや」と思い始めたら、ゴルフをすぐ辞めてしまうんじゃないかと思っていましたが、そうはならなくて、うまくいかないと腹が立ちますし、成績を出したい、勝ちたいというのがすぐ出てきたので、良かったですね。


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