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欧州男子

小松直行の週刊オフチューブ - 今週は香港オープンと世界マッチプレイのダブルヘッダー!-

2015年8月26日(水)午後3:56

LIVE FROMのMCや欧州ツアー中継の実況を担当している小松直行アナウンサーが、ゴルフ最新ニュースをピックアップ。小松さんならではの視点からゴルフ界の最新動向をお届けします!

目次:
・今週は香港オープンと世界マッチプレイのダブルヘッダー!
・歴代勝者の肖像:ロス・フィッシャー(イングランド、2009年)
・小松の小耳

ボルボワールドマッチプレーチャンピオンシップ
【ボルボワールドマッチプレー チャンピオンシップ】

この試合は1964年、ロンドン郊外のウエントワース・クラブ始まりました。ゴルフ界を代表するスター選手たちが英国随一の老舗高級ホテル、サヴォイホテルに泊まって、リムジンでコース入り。秋のロンドンでの華やかなイベントとして、すぐに注目のイベントとなりました。

青木功プロ 初回優勝のアーノルド・パーマーから、ゲイリー・プレイヤー、ジャック・二クラス、グレッグ・ノーマン、セベ・バレステロス、イアン・ウーズナム、ニック・ファルド、ビージェイ・シン、アーニー・エルスをはじめ、世界のゴルフのトッププレイヤーが勝って来た試合。今年で50周年となりました。

1978年には青木功選手が優勝しています。翌1979年に青木選手は決勝で敗れましたが、その前にセベ・バレステロスを破ったマッチは40ホールに及び、歴代最長マッチの一つとなっています。

今年は舞台をイングランド、ケント州(ロンドン南西郊外1時間)にあるロンドンGCで、16名の精鋭による5日間の大会を中継いたします。スリリングなマッチプレイの楽しさをたっぷりご堪能ください。

【ボルボワールドマッチプレー チャンピオンシップ 放送日時】
1日目:10月15日(水)午後10:00?深夜1:00
2日目:10月16日(木)午後7:30?深夜0:30
3日目:10月17日(金)午後10:30?深夜3:30
4日目:10月18日(土)午後11:30?翌午前4:30
最終日(前半):10月19日(日)深夜0:30?翌午前4:30
最終日(後半):10月20日(月)午前5:00?9:00

※歴代の飛びぬけた勝者をご紹介しておきます
ゲイリー・プレイヤー:5勝(連覇1965-66年)
G・プレイヤーは60年代のMPで抜群の強さを誇りました。
世界MPで初めて勝ったのは1965年第2回大会。36Hマッチの準決勝でトニー・レマを相手に、19ホールで7ダウンを喫していながら、37ホール目に逆転勝利。決勝ではピータ・トムソンを3&2で破りました。
翌年1966年には決勝でJニクラスを6&4で退けて連覇。プレイヤーは1971年にも二クラスを5&4でもう一度、打ち負かしています。
プレイヤーの3勝目は1968年、ボブ・チャールズを破りました。このときはパットのうまいチャールズが最終Hでミス・パット。5勝目は1973年、グラハムマーシュを40Hめに破りました。

セベ・バレステロス:5勝(連覇2回;1981-82、84-85年)
亡くなったセベ・バレステロスのゴルフへのパッションがもっとも強く現われたのはマッチプレイでした。
世界MP初勝利は1982年、ベン・クレンショウを1UPで破りました。翌年はサンディー・ライルを37Hめに下して連覇達成。1年おいて1984年にはベルンハルト・ランガーに2&1で勝ち、翌年1985年もファイナルはセベ対ランガー。再びセベが6&5で勝って2度目の連覇。
5勝目は1991年、ニック・プライスを3&2で退けて、Gプレイヤーに並ぶ大会5勝を達成。目の前の一打にかける集中力が華麗な技を生み、信じられないようなリカバリーを成功させるセベ。ファイナルに進んだときには一度も負けていません。

グレッグ・ノーマン:3勝
80年代の世界MPはGノーマンとSバレステロスの時代。
ノーマンは80年代に3勝。その最初は1980年、サンディーライルを1UPで破りました。2年後の1983年にはニックファルドを3&2で破ります。そして3勝目は1986年。再びサンディーライルを2&1で退けて強さを誇示しました。

アーニー・エルス:7勝(3連覇2回;1994-96、2002-04年)
アーニー・エルスは1994年、25歳の誕生日の前日に優勝。コリン・モンゴメリーを4&2で下しての初優勝。81年のセベと並ぶ最年少チャンピオンとなりました。
エルスは 翌1995年にスティーブ・エルキントンを3&1で下し、さらに96年にもビージェイ・シンに3&2で勝って史上初の3連覇。 97年にもファイナルに進みますが、今度はV・シンに敗れ、無敗記録は途絶えました。
しかし、2002年は若きセルヒオ・ガルシアを退けて4勝目。2003年第40回大会はトーマス・ビヨーンを破って5勝目。翌2004年にリー・ウエストウッドに勝って、2度目のハットトリックで6勝目。
ひざの怪我のあと、2007年に戻ってきたエルスはアンヘル・カブレラを6&4で下して通算7勝目。この年がウエントワース開催の最後でした。

香港オープン
【香港オープン】

香港で継続されているスポーツイベントとしては最古。1959年に第一回が開催され56回目。60年代からの極東ゴルフサーキットの時代には杉原輝雄(1969年)、勝俣功(1970年)、金井清一(1986年)の3選手が勝っています。2001年から欧ツアー公式戦となって今に至っています。

今回、3連覇の大会5勝目を目指すのはミゲル・アンヘル・ヒメネス。
自らの欧ツアー最年長優勝記録を、今年もまた更新するのか、注目されます。前回大会は2014年度シーズンとしてカウントされており、同一シーズンに2度目という珍しいケースになりました。
ミゲル・アンヘル・ヒメネス

【香港オープン 放送日時】
1日目:10月16日(木)午後3:00?6:00
2日目:10月17日(金)午後3:00?6:00
3日目:10月18日(土)午後3:00?6:00
最終日:10月19日(日)午後3:00?6:00 (※最大延長 午後6:30まで)

ゲスト解説に佐藤信人プロをお招きします!
佐藤信人プロ佐藤プロは2003年に欧ツアーの6ラウンドに及ぶ過酷なQスクールを勝ち抜いて年間出場権をとって、2004年シーズンをレギュラーとして欧ツアーでプレイをされた経験があります。その初戦だった2003年末の香港オープンでは見事15位に入りました。興味深いお話が聞けるはずですので、ぜひご覧ください。

歴代優勝者の肖像:ロス・フィッシャー

「そんなことを言われると、気持ちはウエントワースの18番の、あのときの自分に戻って、あのショットをひっぱりだして来れたりするわけですよ、いやほんと。3ウッドでいいショットが打てたんです、もう少しでイーグルもとれたくらいのね」

セミファイナルが見物だった。春にマスターズに勝っていたアンヘル・カブレラとのマッチは39ホールにもつれ込み、両者ともに飛距離にものを言わせて勝負に出る場面は迫力に満ちていた。

ロス・フィッシャー2アップしていたフィッシャーが、のこり5ホールというところで1ダウンになる。そこから2ホールを連続して取り返すが、パー5の最終ホールで2打めを7鉄でレイアップ。対するカブレラはここぞとばかりにラフから乾坤一擲のグリーン狙いを成功させ、マッチはプレイオフへ入った。結局、18番を繰り返して3度目に、フィッシャーが2打めを4m弱につけるスーパーショット、カブレラはグリーン脇のバンカーに入れ、そこからの3打めがグリーンをこぼれてしまって結着した。

翌日のファイナルは、R・アレンビーを倒したアンソニー・キムとの対戦。終始、フィッシャー優位の展開だった。18ホールを終えて1アップ。後半に入り、22ホールめの4番でパー4では12mのイーグルを決め、続くパー5の5番もバーディーで取り、3アップ。
キムは次のホールをとるが、25ホールめ、26ホールめを3パットでハーフにして取りこぼす。さらに28ホールめのパー3を、寄せに失敗してボギーで献上。 フィッシャーが32ホールめをとって4アップとし、33ホールめを分けて4&3で勝った。

? ウエントワース ?
1964年に始まった世界マッチプレイはウェントワース・西コースで過去44回が行われ、日本の青木功選手も1978年に勝っている。その伝統の一戦も一年間の休止を経て、2009年からスペイン・アンダルシア、マラガ近郊のフィンカ・コルテシーンGCに舞台を移して新たなスタートを切っていた。

ロス・フィッシャーは、できればウエントワースでこの試合に勝ちたかったと漏らしていた。イングランドのジュニアゴルファーは、誰もがウエントワースで開催されてきた世界マッチプレイを見て育つが、フィッシャーより思い入れが強い者はいないだろうからだ。

13歳だった1994年、父、キースさんが新聞広告でウエントワースの奨学制度(91年創設)を知って応募。ヘッドプロだったバーナード・ギャラカーによって、当時 30人の候補の中から選ばれ、入会金1万5000ポンド、年会費5500ポンドというクラブのメンバー扱いで、ゴルフのエリート教育を受けた。
タイガー・ウッズを破ってマーク・オメーラが勝った1998年の世界マッチプレイでは、練習場でタイガーに球をもっていく係を任せられて、18歳のフィシャーは胸をときめかしたという。

プロになり、 自分がその試合に出られた。暖かな地中海を望むアンダルシアでプレイしていても、ウエントワースを思っていたことだろう。いや、実際にそうだったのだ。

アダム・マロウセミファイナルがプレイオフに入った38ホールめ、パー5の18番2打めは、ハイブリッドで打ってショートした37ホールめよりも少し長く残っていた。思案顔のフィッシャーに、キャディーのアッズ(アダム・マロウ; Adam Morrow )は3ウッドを差し出した。

「そうさ。頼むぜフィッシュ。今年のウエントワースの18番で打った、あれと同じのを打ってくれ」

そのことを記者会見で振り返ったときのコメントが冒頭のものである。

「そういうのを聞かされると、気持ちはあそこの、あのときの自分に戻って、あのショットをひっぱりだして来れたりするわけですよ、いやほんとに。3ウッドでいいショットが打てたんです、もう少しでイーグルもとれたくらいのね」

ポジティヴな言葉をつねに聞かされながらプレイしたという。ファイナルで優位に立ってアップを重ねていっても、キャディーの言葉が励みになった。

「いいかい、1ダウンになっていると思ってプレイしよう。一打一打の勝負だと思うんだ。ずっとそうやって踏ん張っていかなければならないんだ」

? メンタルタフネス ?
勝利を決めてすぐのTVインタビューで、1週間を通して、この勝利につながったのは、自分のゲームのなかのどの部分だったと思うかと問われ、フィッシャーが即座に上げたのは「メンタル・タフネス」だった。

ファイナルを戦ったアンソニー・キムは、24歳ながらすでに2008年のライダーカップにも出てアメリカの勝利に貢献し、プレッシャーをものともしない剛毅さ、勝負強さはよく知られているが、いいプレイをした時やホールを取った時のこれ見よがしの態度は、欧州サイドのファンから多少の非難も浴びた。

ロス・フィッシャーとアンソニー・キム記者からは、マッチプレイではやりにくい相手か、という質問も出た。フィッシャーは、2008年の全英オープンで一緒に回ったのでキムのことはよく知っている、ワールドクラス・プレイヤーだと前置きして次のように言った。


「ええ、少し威張るようなところのあるタイプですけど、でもそれは彼のパーソナリティーでね、持ち味なんですよ。
彼は自分の気持ちを、そのまま素直に出してる。みんな、それぞれです。私は、自分の感情をそれほど出しません。
やっていることに集中して、誰かがすることをいちいち見ないようにしています。
パットを決めたとき、彼はここぞとばかりかなり盛大にやってくれますが、もしもそれが自分を燃え立たせる方法なら、私はいいと思いますね。でも私自身は、まったく平静のまま、十分リラックスして自分の仕事をこなしていくだけです。
それがきょうはとてもうまくできたわけです。」

大舞台で成績を残して来ているロス・フィッシャーの実力は疑いようもない。
2009年は全メジャーに出てカット通過した12名の中で、総合的に最もいい成績だった。それだけでなく、4試合ともある局面ではリーダーボードのトップに立っていた。
マスターズこそ初日の瞬間風速だったが、結果は30位タイ。全米オープンで5位、全英オープン13位タイ、全米プロ19位タイ。ターンベリーでの全英オープンは、初めての子どもの生まれる予定日に近く、気が気でなかったはずだが、最終日を1打差の2位タイで迎え、出だしの連続バーディーで2打差単独首位だったのに、残念ながら5番パー4で8を叩いて4打差に終わった。

「なるべくしてなったということなら、そうなんでしょう。物事にはすべて訳があるということで、私はそういうのを信じる方です」

191cmの長身に、温和で人のよさそうな風貌からは、あまり勝負強さは感じさせない。実際のところ、デビューの当初から、最終日に見せた脆さが記憶に残る。しかしそれは、たびたび優勝争いに絡んで来た証しであり、試合のある局面や外見での印象からプレイヤー像を描いてしまってはいけない、ということの好例だろう。

いまさら掘り起こすまでもないのだが、フィッシャーがクリアしたステップとして、参考までに記しておく。
フィッシャーのツアーデビューはなかなか気合いの入ったものだったからだ。2005年にチャレンジツアーを18位で卒業し、さらにQスクールにも挑戦して堂々14位で年間出場資格の順位を上げた。

ルーキーとしての第1戦はそのQスクールの翌週、2005年11月末のチャイナ・オープンで、早くも優勝争いを演じた。69-68-68で三日目に1打差の首位に立ったが、最終日は伸ばせずレベルパー72、逆転され2打差の4位タイに終わり、試合は65で回ったP・ケイシーがプレイオフでO・ウィルソンを破って勝った。
ホームコースのウエントワースでも悔しい思い出がある。2007年5月のBMW・PGA選手権では、P・ブロードハーストと並んで首位で最終日を迎えながら、ふたりともに大きく崩れ、ブロードハーストが80を打って20位タイ、フィッシャーは84で39位タイに墜落した。
しかし、挫けずその年の8月、オランダでのKLMオープンで初優勝を遂げる。最終日、残り3ホール時点で、地元のヨースト・ラウテンに2打差リードしていたが、ラウテンが16番、18番をバーディーにして11アンダーであがる。フィッシャーは16番、17番を3パットの連続ボギーにして11アンダーで並ぶが、最終ホールをバーディーにして勝ち抜けた。

強さが際立ったのは、2008年のヨーロピアン・オープンだっただろう。初日に63でトップに立つや誰にも並ばせもせず、最後は2位のセルジオ・ガルシアに7打差をつける完全優勝だった。2009年は春先のWGCアクセンチュア・マッチプレイで、セミファイナルまで勝ち上がり、P・ケイシーに破れはするが、勝負強さを印象づけた。
さらに、5月のウエントワースで、最終日に発奮して64で回ってみせ、またもやP・ケイシーには追いつけなかったものの、5打差の4位から1打差の2位に食い込んだ。その試合で、最終日は違う組だったがアーリー・ラウンドをともに回ったロス・フィッシャーのことを、ケイシーはライダーカップ・メンバー候補として「大胆で、自信に満ち、攻撃的で、ドライバーを打つのを好み、怖れることなく球を叩いていける」と評価していた。

<資料>1)大会インタビュー・スクリプト 2)欧ツアー公式ウエッブサイト:www.europeantour.com

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