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国内女子

「上田桃子さんの優勝で流れが変わった」諸見里しのぶがここまでの国内女子ツアーを振り返る

2021年8月13日(金)午後4:27

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 稲見萌寧が東京五輪で銀メダルを獲得するなど引き続き盛り上がりを見せる女子ゴルフ界。国内女子ツアーは13日からのNEC軽井沢72ゴルフトーナメント(軽井沢72ゴルフ北コース/長野県)で後半戦がスタートしましたが、同大会でコースセッティングを担当する諸見里しのぶプロが、CSゴルフネットワーク「ぎゅっと週刊国内ツアー(毎週月曜よる11時・8月9日放送分)」のなかでここまでの総括と後半戦の展望、さらにNEC軽井沢72ゴルフトーナメントのコースセッティングについてお話いただきました。
 
上田桃子の優勝で流れが変わった前半戦
 どのトーナメントも最後の最後まで誰が勝つか分からないドキドキする試合展開が多かったなと思います。

 その中で、山下美夢有さん、堀琴音さん、吉田優利さんという若手の選手たちが初優勝を挙げましたが、どの選手も初優勝とはとても思えない素晴らしいプレーをしていて、特に堀琴音さんは2014年にプロテストに受かってデビューをして、7年かかってようやく初優勝ということで、私の中でとても印象に残っています。

 そのあとに複数回優勝の稲見萌寧さん、小祝さくらさん、申ジエさんの3人ですけど、特に稲見萌寧さんが12戦終わって5勝という圧倒的な強さを見せて序盤から女子ゴルフツアーを引っ張っていってくれたなという印象があります。

 私の中で全体的に流れが変わったなと思ったのが、パナソニックオープンレディースの上田桃子さんの優勝です。やはり序盤の方は若手の選手たちが優勝して試合展開をリードしていました。5月の上田桃子さんの優勝で、上田さん自体も悩んで壁に当たって凄くもがいていたと思いますけど、それを一つ乗り越えて優勝したことによって、若い選手からベテランの選手まで、「私も頑張れば優勝できるんだ」という勇気を与えた試合だったなと思います。

 その優勝以降から、笠りつ子さん、青木瀬令奈さん、菊地絵理香さん、鈴木愛さんが優勝しました。「自分はもう優勝できないんじゃないかな」と苦しんでいた選手たちが優勝したのは、やはり上田桃子さんの1勝が凄く大きかったかなと思います。若林舞衣子さんも、母になって戻って来て優勝しましたね。

 まず前半戦は5勝を挙げた強い稲見さんの優勝が目立っていましたけど、それに加えてどの世代の選手たちも初優勝であったり復活優勝であったりという、本当に全体的に盛り上がった前半戦だったかと思います。
 
2年にわたって行われる異例のシーズン。後半戦の注目選手
 2年をまたいでいるシーズン、いよいよ賞金女王が後半戦に決まります。開幕戦と3戦目に優勝した小祝さくらさんが「賞金女王になりたい」と宣言していたので、後半戦どこまで追い上げてくるのか。小祝さんは昨年から夏以降の試合に強いというイメージがあるので、彼女がどれだけ攻めのゴルフをしてくるのかというのは楽しみの一つですね。

 そして稲見さん。凄く今年調子が良い中でオリンピックも経験してきます。オリンピックで世界の選手たちと一緒にゴルフをすることによって、彼女の中で得るものというのはとても大きいと思いますので、それをもって臨んでくる後半戦の戦い方というのも見所だなと感じています(編集部注:取材は東京2020ゴルフ競技前)。

 そして後半戦はメジャー大会が3戦あります。歴史のあるトーナメントも多いので、そこをどう攻略していくのか。またシード争いもあるので、選手の皆さんにとっては一つ一つが気を抜けなくて油断ができない、とても大事なものとなってくると思いますので、一つ一つの試合をどう頑張って上位に入って来るのかというのは見所ですね。

 昨年、申ジエさんは手首の手術をしてすぐに1勝を挙げて、今年も2勝と本当に彼女の強いところを見せてもらっています。後半にかけてメジャー大会だったり難しいセッティングが増えてはきますけど、そういった中で彼女の距離感のコントロールであったり、ユーティリティとかの繊細な距離感というものは絶対に武器になってくると思うので、賞金女王争いに加わってくる選手の一人だと思います。

 西郷真央さんは、4日間競技の中で最後悔しい思いをしている姿を見ていて、早く優勝してほしいと思う選手の一人です。飛距離もありますし、体も強く、技術も高い、メンタル的にもとても強いものを持っているので、早く後半戦の大きい試合で優勝してほしいと思います。
 
コースセッティングを担当する「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」のみどころ
 会場の軽井沢72北コースは、ドッグレッグが多くしっかりターゲットをとらないと、突き抜けてラフまで行ってしまったりという状況が出てくるので、正確性というものを大事にしてもらえるように、何ホールかは少し短くなっていて、全体的な距離も昨年より少し短くなっています。何ホールかはティーイングエリアを前の方にしたホールもあります。

 このトーナメント自体が長く開催していただいている本当に歴史のある試合ですので、ピンの位置は同じような感じになってしまうかもしれないですけど、コースセッティングをやらせていただくにあたり一番心掛けていることは、「攻める」「守る」のメリハリの利いたコースマネージメントができるようにすることです。その中でピンの位置、ティーグラウンドの位置を組み合わせて、少しずつ例年とはまた少し違ったトーナメントが展開できることを目指しています。

 今年はギャラリーの方も入ってくださるので、最後の方は選手たちがバーディを獲って、スコア、順位が動いて、最後の最後まで誰が勝つか分からないような試合展開にできるようにしていきたいなとは思っています。

 上がりの3ホール、16番パー5は2オンも狙えるパー5ですけど、手前にクリークがあって、グリーンも全体的にうけていて、グリーン上も難しいのでそこの攻略をどうするか。そして17番パー3は短いアイアンで打てるとはいえ、やはりあの大きな池は選手たちにとってとてもプレッシャーになりますし、ピンが右サイドに切ってあるときは奥のOBも見えてくるので、どれだけ勇気を持って打ってこられるかが見どころです。

 コース自体に難しさがあるので、ピンの位置によって選手たちの心理戦に加われるように頑張っていきたいと思います。

(写真:Getty Images)

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